あぁ・・風流だなぁなんて思いながら縁側で譲くんが作った和菓子を食べながら
冷たいお茶を飲んでいたら・・なんかが来やがった
せっかくのいい気持ち気分を九朗さんの愛犬をパクッて・・いや借りてのんびりしてたら・・
露骨に嫌な顔してやったけど・・絶対気づいてるのに知らん振りしてやがんな・・
「はぁ・・疲れた」
「あのぉ・・すいませーん私の背中は貴方の背もたれじゃないんですが・・あの聞いてますかぁ??」
「解ってるよそんな事・・姫君の背中は何だか落ち着くし暖かくてね・・悪いけどこのままにしてもらうよ」
こやつは事アルごとに私の背中に背を預けてきやがる
このまま短刀でもブッさしてやろうかと思って望美ちゃんに借りに行ったら
『・・や・・やめてあげて下さい』
と言われた・・借りる相手を間違えたのだろうか??・・やはりあの時は弁慶さんに借りるべきだったのか・・
「姫君・・俺の抹殺計画を練るのはいいけれどもう少し黙ってしてほしいかな」
「・・ちっ」
「あからさまにそうです系の舌打ち有難う・・姫君は俺が嫌いかい??」
「それはアンタでしょうが」
そう言いながら譲くんの作った和菓子を口に入れる
甘いあんこの味が口いっぱいに広がるのを楽しみながら
背中に感じる重みに耐える
「は??・・なんだいそれは・・俺が姫君を嫌いだってのかい??」
「あから様に嫌味のような“姫君”は嫌いな証拠でしょ??アンタも嫌な男だよねぇ遠まわしの嫌がらせかよ」
「・・・じゃぁ姫君は俺のコト嫌いじゃないって事??」
「・・タラシは嫌い」
「・・ごさようで・・」
「でも・・仲間として戦って・・そういう時の楽しそうなヒノエは・・嫌いじゃ・・ない」
何か言っててはずくなってきたなぁとか思いながら
気を紛らわせるために湯飲みに口を付ける
いや・・でもこれ本心ですよ??タラシなヒノエは嫌いだけれど・・仲間としてのヒノエは嫌いじゃない
現にカッコイイとこも・・・あるしね・・ちょっと・・
「・・・そうか・・ハハハ・・そうか・・なら安心したよ」
「何笑ってるの気色悪いよ君」
「・・いいや・・ちょっとね・・有難う姫・・いや」
「何・・ってえぇ!?・・ちょっアンタ今!?」
「“姫君”は嫌なんだろ??なら・・これからは“”て呼ぶよ」
「・・なっちょっ・・まっ待ってって!!ハズイめっちゃハズイって何かこれ・・!!」
真っ赤な顔で慌てだす私に驚いたのかヒノエは少し目を見開いて
またすっと意地悪そうな笑顔に戻った
背中同士で助かった・・と少しだけ思った
「取り乱してくれてるって訳??嬉しいな」
「・・いやっ嬉しいとか・・ってえぇ!!」
「驚きすぎだよ・・でもそんなお前も可愛いけどね」
「うわーっっ!!ハズイ事言った今!!スゲーハズイ事言ったぁ!!うわぁ!!」
耳を塞いで蹲る私をまた笑うヒノエ
コイツ本当に楽しんでやがるなぁ!!!
そう思いながらあぁ!!と悲鳴らしきものをあげる
「さん近所迷惑ですよ」
「あ・・弁慶さん・・・いやだってだってぇ!!!」
「アンタ何しに来たんだよ」
「いえ別に・・あっそうそうさん九朗がその犬探してましたよ??」
「あぁ!!思い出したぁ!!そうだぁ!!私用があるんだ!!そうだったぁ!!という訳でぇー!!さいならぁぁぁ!!!」
犬の手綱を握り締めて正しく漫画で使うバビューン!!!!みたいな効果音が付きそうな速さでその場を去った
真っ赤な顔を着物の裾で隠して
だってだって!!有り得ないよ!!何!!アレ!!
生き物かよ!!マジ真っ赤だよ!!!ヤバイよぉぉぉぉ!!!!
「ふぅ・・何したんです??いつも冷静な彼女が面白いことになってましたよ??」
「いや・・ちょっとね・・嬉しい発見があったんだよ」
「何ですか・・あの嫉妬作戦だか何だか無意味な作戦が成功したんですか??」
「あんたもう少し腹ん中で思ってること隠せよ・・いいやそうじゃないさ」
「この頃多くの女の人にひっきりなしに声をかけると思っていたら・・彼女を振り向かせるためにでしょう??しょぼい人間ですね」
「・・あんた夜道は背中に気をつけろよ・・うっせーなアンタには関係ねーだろうが・・」
「一応これでも“叔父”なので甥がまた余計なことをして僕の質が下がるのは嫌ですから」
「アンタ本当に絶対ろくな死に方しないタイプだぜ・・まぁとにかく下準備も何もいらなかったみたいだな」
「まぁ・・幸運を影ながら応援してますよヒノエ」
下準備もなにもいらない
もう体力回復・・気持ち100%OK
さぁ君を落としにかかろうか・・
でもたまには君の心地よい背中で