「・・弁慶さん昔は口調もせいか・・性格は今もか・・悪かったんですね」

「は??」

「いやいやちょっと小耳に挟んだもので」

「誰から聞いたんですか??」

「だから小耳に挟んだんですって」

「“誰から”聞いたんですか」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・景時さんです」




ふっと匂う綺麗な和風の花の匂い

彼女の髪から匂うのか凄いいい香りがする

僕は書物からいったん手を離し彼女の綺麗な灰色の髪に触れる

サラッと僕の指をすり抜けまた落下する綺麗な髪にすっと笑みがこぼれ1束つまむ




「・・あのぉ・・すいませーん何してんですか??」

「え??君の髪で遊んでいたんですよ」

「あぁ・・何??枝毛多いなぁとか言っちゃいます??」

「そんな事言うわけありませんよ・・絹のように綺麗な髪です」




顔を真っ赤にしてそんなお世辞言ったって通用しませんよと顔を背ける

そんな姿も可愛くてクスッと笑うと

そんな僕を横目で見て笑ったという表情を作って拗ねそうになる彼女

また可愛い顔をするなと思ってまた笑ってしまう



「そういえば何で昔の僕なんですか??」

「え・・・何か弁慶さんて昔九朗さんとアレだったんじゃないのかなぁって」

「アレとは??」

「ほら橋の上で1000本目の刀集めるやつ」

「あぁ・・そんな事も・・・」

「だからと思って聞いてみたんです・・そしたらワンサカ出てきて今の弁慶さんじゃ想像も付きませんが」

「付かないようにしたんですよ態々口調まで変えて」



「あっそれはご苦労様です」



そう・・彼女のすごいところはこんなトコ・・

僕が真面目に言った痛々しい言葉も彼女はヘラッと笑って流す

最初に僕が彼女を騙したとき彼女は騙した僕に

『騙される方が悪いんですから』

と平気でこんな事を言ってのけた・・殴りも悲しみも悔しみもしない彼女に僕は正直驚いた



「ふぅ・・貴方は鈍感というか・・何と言うか」

「あぁまぁそれで話を戻しますけど・・」

「まだ続きがあるんですか??」

「ココからが肝心ですダラけないでください」

「はい解りました」

「で・・今の弁慶さんと昔の弁慶さんの事なんですが・・アンケート取ってみたんです」

「あ・・んけーと??」

「あぁえーと皆の気持ちを聞いてみたんです」



そう言うと手帳を取り出しペラペラと捲っていく

物凄い暇だったのだろう・・・そう思いながら僕は書物に手をかけた




「全面一致で1つありました前の方が性格は良かったって」

「そう・・ですか」

「後は今は笑って怒るけど前は感情むき出しで怒ってた今怖いとか・・1000本集めは諦めた??ってこれ質問じゃない」



「・・さんはどうなんです??」




「はい??」

「貴方は昔の僕と今の僕どっちがいいですか??」




書物から目を離し

手帳をペラペラ捲るさんに視線を戻す

あっけに取られている彼女の顔は大抵珍しい・・いつも冷血そうな目が見開かれていた




「え・・あぁ私??・・でも私昔の弁慶さん知らないし」

「じゃぁ今の僕は??」

「・・・・うーん・・・ちょっとタンマです」

「はいごゆっくり」




うーんと唸るさんを面白そうに見ながら僕はまた書物に視線を戻す





「・・・あっそうか」

「出ました??」


20分後彼女はぁ・・という声を出す

やっと出たかと僕は彼女の方に視線を送る


「私・・・どっちの弁慶さんも好きです」

「はい??」

「だーからどっちも好きなんです弁慶さんは弁慶さんそれは変わりないでしょう??」

「・・ははははは・・君は本当に・・」

「な・・なんですか??」


「可愛い人ですね」



そう言って彼女の灰色の髪を掴み引き寄せた

唇が触れ合う


「・・ん・・ふぅ・・」


甘い声が漏れ出す

ドンドン胸を叩かれるがそんなの気にしない

やっと唇を離すとさんはズサササーッと後ろに下がり顔を真っ赤にして唇に手を当てている

急にしたから混乱しているのだろう・・可愛いなぁと思いながら下がってしまったさんに近寄る



「・・なななな・・何するんですか!!!!」

「正解だったので景品を・・それに貴方のコトが好きだからです」

「・・・・・うぅ・・・」

「はいはい貴方も僕のコト好きでしょう??・・・だからこっちに来なさい」

「絶対コレ・・おかしいよ・・何で命令形なんですか??しかも最初の部分決めつけ??」



そんな事をブツブツ言うさんの手を掴んで引き寄せる

気に食わない顔で少し涙目の赤い顔で僕をキッ睨んでくる彼女の瞼にそっと唇を落とす



「それに僕は貴方にあってもう一皮剥けたみたいですからね」

「は??」

「策士な僕はもう・・いないという事ですよ貴方のお陰で」

「え・・それ素直に喜んでいいんですか??」

「さぁお好きにどうぞ??」




君が魔法をかけたから