「はい九朗」
「む・・なんだこれは」
「あ―・・知ってます??こういう諺??」
「こと・・わざ??」
「“働かざるもの食うべからず”・・夕飯食べたかったらソラマメ全部剥いてください・・はい以上」
ボールの中に緑の豆
ん??という感じで状況が読めない九朗さん
さんはニッコリ微笑んでそのまま台所に戻って行ってしまった
「九朗何してんだ??」
「あぁ将臣かいやに・・“働かざるもの食うべからず”と言われた」
「は??何だよそりゃ・・・―」
そう言って台所に向かう兄さん
俺は苦い顔をして兄さんを台所に迎え入れた
そんな俺の表情を見たのか目をさんに向けて怒ってる??という感じに目配せしてくる
俺はコクリと頷きまた苦笑した・・マジかという引きつった表情を見せた後・・
決心が決まったのだろうかさんに声をかけた
「・・九朗が訳の解らん感じで向こうでソラマメ剥いてんだけどあれって」
「あぁ気にしないで・・あ・・何??将臣くんも剥くソラマメ??」
「・・いや遠慮しとくわ」
ニッコリ笑って包丁を持ったまま微笑むさんに兄さんは負けたようだ
でもアレでは勝てない・・さんは1度怒らせると怖い・・
笑って怒るからなおさら怖い・・俺は刻んでいたキャベツに視線を戻しまた暗い気持ちで刻み始めた
「あ・・譲くん」
「はいっ」
「何緊張してるの??・・・ふふふ変なのあっゴメン大きいお皿ダイニングから取ってきてもらえる??」
「あっお皿ですねっ解りましたっ」
「どーしたんだろ??」
リビングに向かうと
また九朗さんはソラマメを剥いてて兄さんはその隣ではぁぁとため息を吐いて頭を抱えていた
俺を見てまだ??という感じの視線を送ってくるので首を縦に振る
またはぁとため息を吐いて暗くなる兄さん
「なぁ九朗・・お前アイツになんか言ったか??」
「いや特には」
「・・じゃぁ望美が余計な過去話を持ち込んだんだなありゃぁ・・望美は??」
「お醤油買いに行きましたよ・・多分そろそろ」
「たっだいまー!!!」
「お帰りなさい先輩」
「おい望美・・お前に何か言ったか??」
「・・えー・・・・・・・なんか・・・・・・・・・・・あぁっ言った言った」
「・・・何て言った??」
「九朗さんてあんまり女の人を認めないよねぇって最初のころもさぁってツラツラと」
「「それだ・・・」」
「何がだ??」
ソラマメを片手に持ちながらん??という顔の九朗さん
さんは結構女としてのプライドは高い・・貶されればそりゃ怒る
「そういえばヒノエくん達は??」
「逃げ・・いや出かけましたよ」
「譲くんっお皿まだかな??」
スリッパのパタパタという音を立ててまだーという顔でリビングを覗く
手にはおたまが握られていた
あっという顔で九朗が立ち上がる
それを兄さんがぐわっと掴み座りなおさせる・・俺は時間稼ぎをしなくてはと思いさんに話しかけた
「すいません・・どれを持ってっていいか解らなくて」
「さん醤油買ってきたよ」
「あ・・ご苦労様ゴメンなさいお使いに出させてあれ??白龍は??」
「白龍は何か私の家でレモン分けてもらうんだって」
「あぁレモンの入ったプリン気に入ってたもんね・・あぁお皿??適当で良かったのに・・」
「ととと・・とにかくちょっと来てください!!」
「どうしたの譲くん??」
「そうずっとこの調子なの」
兄さんの方をちらっと見ると
よくやったと目配せされた・・目配せはいいから・・と思いながらさんとお皿の置いてある棚へ行く
と思ったら後ろから声がかかる
「ソラマメ剥けたぞ」
「え・・あぁどうも」
「何九朗さんソラマメなんか剥いてたのー」
「あぁ“働かざるもの食うべからず”と言われた・・まったくその通りだな」
「へ??」
「が働いているのに俺だけというのもアレな話だ・・今度から少しでも手伝える事は手伝うぞ」
ニッコリ笑う九朗さんにもそっと微笑んだ
兄さんと俺は苦笑い・・先輩はうんうんと頷いていいなぁと微笑んでいる
苦労するだけ無駄だったらしい
「それに女の私にも少しは守らせてね」
「いやっそれは出来ない」
は??という顔の俺と兄さん
さんはまた何だかムカッときたみたいだ
先輩はえーとつまらなそうにする・・
「お前は俺が守るそれが役割だ・・今の俺の仕事はそれだ」
「・・・九朗??」
「俺の仕事までとらないでくれ・・な??」
「はい・・じゃぁ茹でるから手伝って」
「あぁ」
「私も手伝いますさん!!」
そう言ってお皿を持って消える3人
あぁとため息をつき兄さんの隣に座る
骨折り損の草臥れ儲けとはこの事だ・・・
「俺らって何って感じだな」
「それを言うなよ兄さん・・・」
お疲れ様です有川兄弟
まさに君達は・・・