『あの女の娘なんて!!!汚らわしいだけよ!!!!』
・・・汚らわしい??
そんなの1番私が知っている事・・ゴメンゴメンね母さん・・
私なんかがこの世に生まれ出ちゃったから母さんは今――
苦しいんだよね??泣きたいんだよね??寂しいんだよね??心が痛いんだよね??
誤ったって治らないのに・・私は力不足だから・・母さんに苦痛と孤独しかあげられない
いっそ居なくなれば・・・母さんは楽になるのかな??
瞼にこびり付いて離れない残像
「うわぁぁ・・綺麗」
「気に入って貰って光栄だよ」
「熊野の海ってこんなに綺麗なんだね・・凄い」
波の音が聞こえる
透明で透き通った綺麗な海がドコまでも青く続く
ヒノエくんが連れてきてくれた初めての熊野の海
「綺麗だろ??ここいらじゃココが一番綺麗で有名なんだ」
「・・・うん凄く綺麗・・こんな綺麗な海初めて見たよ」
「姫君あんまりはしゃぎ過ぎると転ぶぜ??」
「・・転ばないよっ!!!」
「ふふふふ・・さお手をどうぞお姫様」
手を私の方へ向けてくれるヒノエくん
どこからそんなキザなセリフが出てくるのかと思いながら
恥ずかしそうに手を置くとぎゅっと握ってくれた
「こっち・・一番綺麗に見えるところがあるんだ」
「でも・・ヒノエくん本当に良かったの??仕事とか・・」
「たまには姫君と一緒に何処かに行くのも悪くないだろ??それにまだココに来て1度も姫君に熊野の案内をしていないからね」
「・・・そっか・・うんっアリガトウヒノエくん」
「・・その笑顔は・・・反則かな」
「え??」
「なんでもないよ」
陸が突き出したところ
周りには青い海が広がっている・・潮の匂い・・カモメが飛び立つのが見える
白い綺麗な花が潮風に吹かれ綺麗に揺れている
「・・・うわぁ」
「どうだい??綺麗だろ??・・この辺じゃココが一番綺麗に見えるんだぜ??」
「・・・凄いね・・凄く綺麗」
「この熊野を俺は守りたいんだ・・どんな事をしても」
「ヒノエくん??」
「・・・・俺は親父を越えてもっと凄い奴になりたいんだ」
その顔は悲しそうで・・熊野水軍というのは源氏にも平家にもつかない
中立の存在だ・・それなりに背負うリスクは大きい
それを成し遂げた父親はある意味ヒノエくんには大きな壁なのかもしれない
この先背負うのはきっとヒノエくんになるのだろう・・この綺麗な熊野を守る・・頭領なのだから
「ヒノエくんが背負ってるもの・・多分私なんかじゃ絶対に解らないものだと思う・・だけど・・」
潮風が強くなり白い花びらがブワッと雪のように舞う
それはとても美しい光景でヒノエくんの綺麗な真紅の髪を美しく彩った
「ヒノエくんはヒノエくん私は今のヒノエくんで丁度いいと思うけど・・・な」
「姫君・・・」
「今のヒノエくんのままでもきっと熊野を守れる・・だってヒノエくんの中でもう熊野を守るって気持ちがあるんだから」
「・・本当にお前は面白いね」
「へ??」
「いいや・・綺麗なんだどんな汚れをも浄化するそんな感じがする」
「・・・・・・」
「姫君が今の俺を気に入ってくれているなら・・このままで居てみようかな・・その方が姫君は俺を好いてくれるんだろ??」
「えっ・・いや・・あのっ・・そーいう意味じゃっ・・」
「・・今日の照れた顔は一段と可愛いね・・アリガトウ美しき姫君」
私の手を取って唇を押し当てる
顔に熱がたまるのが解る・・そんな私を見てまた悪戯っぽく笑うヒノエくん
・・とても私より3つ年下には思えない・・・
「さ・・帰ろうか??風が出てきたしね・・どうかしたかい??顔が真っ赤だぜ??」
「・・・も・・もう知りません!!!!」
唇をかみ締めさきに行こうとするが
岩のところで足を引っ掛ける
グラ・・・・
体が横へと倒れる・・きゅっと目をつめるがいつまでたっても衝撃が来ない
「危なっかしいな」
「・・・ゴ・・ゴメンなさい」
「ふふふいつも姫君は謝るね・・いいんだよこうでもしないといつも姫君は甘えてはくれないから」
私の体をヒノエくんが支えてくれていた
そのまま足に腕を回しふわっといとも簡単に抱き上げる
「うわっちょっヒヒヒヒヒ・・ヒノエくん!?」
「何かな??」
「お・・降ろして下さい!!!」
「こっちの方が転ばなくて済むだろ??」
「そういう問題じゃないよぉ!!!」
素直になれなくてゴメンなさい
不器用でゴメンなさい
でも・・・ずっと貴方を愛しています