本当は少しだけ怖くて悲しくて
1人で暗いトンネルを歩いているような気持ちだった
だからこそ・・死ぬことを怖がる心など捨てた
初めてだった暖かいと思ったそんな手を握ったのは
キラキラと振り堕ちる赤くて 赤い
『―・・朝だぞ起きろー』
「・・・ん・・」
『おはようっ元気元気??』
「・・・何??貴方??」
『モコナっこの世界のコトを任されたんだぁよろしくねっ』
「・・貴方が私を・・この世界に??」
『ううんっこの世界がを呼んだんだよ』
私とそのモコナという動物?は竹林に囲まれた白い花が咲く花畑に居た
風が吹いて私の髪と花びらを攫っていく
この世界が・・私を・・そう思って辺りを見回すが竹林が邪魔をしてあまり見えない
モコナがピョンピョンはねるたび花びらが散る
『は運命が選んだ人間なんだよっ』
「・・・どうして私なの??どうしてこんな私なの??」
『・・それはモコナにも解らない・・でもは応龍の神子なんだ』
ショボーンとしながらポツリと囁く
応龍??何それ・・全然わからない・・私は確か・・
そう・・マンションのビルから
・・・死ぬはずだったのに
「誰か居るのかい??」
「(人??どうしよう・・こんなトコに居ちゃ怪しまれそうだし・・逃げよ)」
『??』
「とにかく・・ココじゃ怪しまれちゃうから離れよう・・」
そう言うと声がする反対方向へそのモコナという動物を抱いて走った
余り体力がない私は少し走っただけで息が上がり始めて苦しくなる・・
でもそんなコト言ってはいられない・・頭の中は混乱しながら走る
竹林から小川沿いに走った
『・・・・大丈夫??』
「う・・うん大丈夫」
はぁはぁと息を吐きながら少し離れたと思った所で止まった
汗が頬をつたう・・久々に走ったからか凄く息が乱れている
自分の運動の力の無さに呆れた・・それよりココはドコだろう・・私の住んでいた世界ではないみたいだけど
息を整えながら辺りを見回す・・竹林や綺麗に流れる川・・ビルや車の姿はドコにもない
『落ち着いた??』
「え・・あぁうん大丈夫だよ・・貴方はこの世界のコト知ってるの??」
『ううん・・でもの隣からは離れないよ』
「ありがとぅ・・よろしくねモコナ」
『うんっよろしくぅ』
小さな手をきゅっと握る
さてと・・と思いながら顔をモコナからまた周囲に戻した
ジャリ・・石ころを踏む音がするビクッと身体を震わせて後ろを向くと
男の人が3人ぐらい私を見ていた・・嫌な気持ちがして1歩後ろへ下がる
「おいおいこんなトコを1人どこの姫様だい??」
「へェ綺麗な顔してんじゃねーの」
「・・・や・・いや来ないで・・」
「そんなにそそるよーな顔しねーでくれよ」
モコナを腕にしかっり抱きしめる・・
怖いと思った・・ビルの上から飛び降りる足のすくんでしまいそうな怖さとはまた違う怖さ
男の人が手を私に伸ばそうとしたとき
パチンッ男の人の手を何かが弾くスッと眼を開けると手を痛そうにさする男の人の姿があった
「っ!!!・・何だこりゃっ」
「おいおい・・コイツ念力持ちとかじゃねーのか??」
「おっこりゃとんだ拾いモンだあっちに売りゃいい金になるぜ??」
「そりゃぁ遠慮してほしーいねぇ」
カシャリッ刀が1人の男の人の首に当てられる
顔を青ざめさせる男の人の後ろに綺麗な赤い髪をした男の子が立っていた
その声はさっき聞いたモノでこの子だったんだ・・と思わせた
「な・・なんだてめぇ!!」
「お前等なんかに名乗る名前はないよ・・まだやっるてぇなら相手になるぜ??」
「お・・おいコイツ・・熊野の・・」
「やっやべぇ逃げろっっ」
遠くの方へ全速力で走っていってしまう男の人達の背中を見送り
男の子は私のほうへ向き直った・・赤い綺麗に編んだ三つ網が揺れる
私は暫し見とれている私に気づき急いで顔を左右に振った
『??どうしたの??』
「な・・なんでもないよモコナ」
「へぇそれ式神かい??よく出来ているね」
『モコナは式神じゃないよっ使い魔だもん』
プンプンと怒ったような仕草をするモコナに彼はクスッと笑った
私も少しだけ笑ってすぐに不満そうな顔に戻す
彼は・・何故助けてくれたのだろうか・・そんな事を思いながら口を開いた
「・・あのっ助けてくれてありがとう御座いました」
「あぁいいよ可愛い姫君が困ってるんだ当たり前のコトをしたまでさ俺はヒノエ」
「私は・・」
「苗字があるってコトはやっぱり何処かのお姫様かい??」
「えっ!?・・ち・・違います・・平凡家庭です」
「でも苗字はあるか・・まぁその辺は後でじっくり聞かせてもらおうかな」
「(後で??)・・あのココドコですか??」
そうそうココどこさっと手をビシッと彼に向けるモコナ
どうやらそれを聞きたかったらしい
ん??という顔をする彼
「ココは本宮大社熊野の本宮だよ」
「本宮大社確か・・和歌山県・・」
『機能停止中』
「・・というコトはココ熊野水軍の・・」
『“藤原湛増”だよっ』
そのモコナの言葉に険しい顔になるヒノエくん
私もビクッとする・・何か言ってはいけないことは言ってしまったのだろうか・・
私の腕をギュッと握り締める・・力の強さにビックリした
――そして凄く痛くて重たい感じがする
「ドコの回し者だい??ココで何をしてる」
『待って待ってとモコナは怪しいものじゃないもんっ』
「今はお前に聞いてない彼女に聞いてるんだ」
「・・私達は・・私達は・・もっと先の世界から来ました」
そのポツリと言った言葉に彼は少しビックリしたらしく
強く握られた手の力が弱くなったのを感じた
自分でも全然解らなくて混乱して・・さっきもあんな事があって・・
土盛りながらも全て彼に説明した