例えばまだ知らない君

見つけてみたいけど・・少しだけ怖い

次々開く運命の扉・・1人で入るのが怖いなら

両手繋いで一緒に入ろう・・君が怖く無いように


だからお願い・・僕を好きだと言ってください











何もかもがあって
局は何もない世界











「・・ゴメンなさい私のせいで・・」


あれから私の完全復帰のため熊野に行くはずだった日をもう少し待ってくれる事になった

これでは本当に足でまといではないかと暗くなっている私を

あの九朗さんが励ましてくれたのだ



「まぁ・・なんだあまり気にするな」

「・・でも・・あれだけ言っておきながら・・ゴメンなさい」

「もう誤るな・・お前は八葉である神子の仲間を救ったんだろ」

「・・・九朗さん・・」

「う・・うるさいっお・・俺はもう行くからな!!」



顔を真っ赤にさせて行ってしまう九朗さんの後姿をクスクス笑いながら見る

でも・・熊野かぁ・・ヒノエくんどうするんだろう・・望美ちゃんが言うには熊野を味方につけて・って言ってたけど

熊野は平家や源氏につかない人達だし・・




「姫君速く治そうってのも解るけどあんまり動かないでよ」

「あ・・ヒノエくん?!・・見つかっちゃったか」

「探したぜ姫君・・どうかした??人の顔ジーっと見て??・・惚れこんだかい??」

「えっ・・あっあの・・ちがっ・・」

「ふふふふそんなに照れて顔が林檎みたいだよ??」


「ヒノエくんは・・望美ちゃんに力を貸すの??」




その時さっきまで遊んでいたような笑顔が消え

少し寂しそうな笑顔を作るヒノエくん・・・あ・・と少しだけ後悔をした

・・・・・この笑顔を私はさせたいわけじゃなかったのに・・・




「・・・姫君はどうするんだい??」

「・・・私は・・私は・・この命を誰かのために役立てたいから」

「自分の世界に戻ろうとは思わないのかい」


「あっちに戻ったところで・・喜んでくれる人も・・・もしかしたら幽・・あっ!!な・・なんでもない!!」




バッと口を手で覆う・・今私は・・彼になんて言おうとした??

そんな私を不思議そうに見るヒノエくん

私はニコリと微笑んでなんでもないよと笑った



「俺は・・まだ解らないよ・・だけど今はまだ力を貸す気にはならなくてね」

「ヒノエくん・・・・・でもいいと思うそれで」

「・・・・そう・・かな??」

「大好きな熊野を守りたいって気持ち・・それは大切なモノだから・・だからその選択肢は間違ってないと思う」



そう・・だよ・・守りたいものって人には数多く存在する

それの1番ていうのは多くの守りたい大切なものを蹴落として

どんなに辛い選択でも見つけなくちゃいけない



「ゆっくり考えてからでも撥はあたらないよ」

「・・・有難う姫君」

「え・・あ・・うんっ!!・・でもいいな・・」

「何をだい??」

「・・・私のもっとも大切なものはもう・・ないの・・私の手がそれを壊しちゃったから」

「・・・??」



「・・・そろそろ部屋に戻ろうか??風が冷たくなってきたから・・・」




すっくり立ち上がる私

そのまま立ち上がって歩くはずだった足は引っ張られた腕によって後ろにダイブした

そこはヒノエくんの胸の中で



「大丈夫・・姫君は俺の中でもう守りたいものになってるから・・だからそんな悲しそうな顔するなよ」

「・・・ヒノエくん??」

「お前の中で俺はいつか・・守りたいものになれるかい??」



守りたいもの・・そういえばあの時命がけで守るって言われた時に怒ったのは

ヒノエくんが大切で・・もう本当は弁慶さんや望美ちゃん・・朔ちゃんや他の皆が大切だから??

後ろから抱きしめられたヒノエくんの微かに震える腕をそっと握る

驚いたように私の顔を伺ってくるヒノエくん・・私は少し恥ずかしそうにでも嬉しそうに微笑んだ



「もう・・なってるよ・・ゴメンなさいそんな不満そうな顔させちゃって・・大丈夫大丈夫だよ」

「・・あぁ・・姫君は俺が守るよ」


「私にも・・・ヒノエくん・・守れるか・・な??」

「・・大丈夫・・俺は姫君・・いやの笑顔に何回も救われてるんだ」



ぎゅっと抱きしめている力が強くなる

・・ありがとう・・なんて言葉じゃ言い表せないくらい今の言葉は嬉しくて



「そうか・・良かった・・私・・生きていても人を幸せに出来るんだね」



本心はそれだった・・

私が生きていることで人が幸せにならない・・義母を見てそう思っていた

私が居て苦しむのなら・・私なんていっそ・・そう思い続けてきた

でもヒノエくんの1コトが少しだけ自由になったと思った

まだ全部のトラウマからは無理でも・・貴方がいたらいつか・・そう思えたんだ




「ありがとう・・」

「だから・・もうあんな危険なマネはしないでくれよ」

「・・・ぅ・・ん・・」





そう言った後のヒノエくんの笑顔はまた優しい感じがした