その小さな小さな黒ネコさんはお月様を探す旅に出ました・・
でもいつまでたってもお月様に近づけません黒ネコさんはメソメソと泣き始めてしまいました
「まま黒ネコじゃん可哀想でしゅ・・グスッ・・」
「そうね・・可哀想ねでもねきっとが泣いてくれてるから黒ネコさん可哀想じゃないでしょ??」
「・・・ままはは黒ネコしゃんの味方になりましゅね」
「そうねきっとが味方になってくれれば百人力ね」
そう言って母さんは・・・・
ただ ひかりをもとめただけ
「・・・・・・・・・ん・・・」
うっすらと瞼を明ける日の光に照らされた天井が見えた
「・・・ヒノエく・・ん?」
目を動かすとと近くの柱に背中を預け寝ていヒノエくんが居た
モコナも手の中で寝ている
私の体には白い包帯が巻かれている・・・
「・・・そうか・・私まだ・・まだ生きてるんだ・・」
「姫君??」
懐かしい貴方の声・・安心したような笑顔で私を見ているヒノエくん
私はすっと笑顔を作った
「おはようヒノエくん・・目覚め・・」
ギュッ
ヒノエくんのほのかに匂うきつ過ぎない香水の香り
抱きしめられているのがやっと解った・・私の体がすっぽヒノエくんの腕の中に納まってしまう
私の肩に顔をうずめているので表情は見えない
綺麗な赤の髪が私の頬をくすぐる
「もう起きないかと・・・思った」
「・・・ヒノエくん・・」
「本当に困った姫君だねお前は俺にこんなに心配させて・・・どんだけ俺の寿命を縮ませれば気が済むんだい??」
「・・・・・ご・・ごめんなさ・・ぃ」
「・・・さぁどうしようかな??」
「ふぇっ・・・すすすすいません!!土下座して誤るので!!命だけは?!」
「・・・ぷっはははは・・・まったく姫君は・・本当に面白いね・・」
笑いすぎて涙が出たらしく指で自分の目から流れる涙を拾う
・・・どうしてだろう・・笑われてるだけなのにどーしてこんなに安心してるの・・私・・
ほっとしている自分がいる・・死ぬ直前・・思い出した記憶は・・
望美ちゃんの明るいひまわりのような笑顔とか
弁慶さんの面白そうクスクス笑うでも綺麗な赤面してしまいそうな笑顔とか・・・
ヒノエくんの安心感と勇気と・・たまにドキッてしてしまう笑顔とか
「・・・ごめんよ・・本当はお前をこんなめにあわせるつもりは無かったんだけどね」
「・・・・ヒノエくん??」
「今度は俺が死んでも守るか・・」
「・・・ヒ・・・ヒノエくんが死んじゃっ何も意味なんてないじゃないっっ!!!!私はそんな形で守ってもらっても嬉しくなんかないっっ!!!!」
ガバッと痛む体をおき上げてヒノエくんに怒鳴り返した
目を大きく見開いて暫し固まっているヒノエくん
はぁはぁと息を吐いて呼吸を落ち着かせようと布団をぎゅっと握り締めた
「・・・私は・・私は・・・ヒノエくんに死んでほしくない・・そんな・・そんなの・・イヤだ!!絶対にイヤだよ!!」
「ひ・・姫君落ち着けってっ」
「・・・だってだって・・もう私の前で大事な人は死んで欲しくなんかないんだものっっ・・」
瞳には大粒の涙がタマって頬に流れていく
握り締めた手の甲にポトッと雫が落ちる
あの日から・・・本当の母さんが死んだあの日から・・泣かないと決めたはずなのに・・・
驚いていた顔から優しい顔になるヒノエくん・・私の頭にポンッと手を置いて撫でる
「お前は強いね・・他の華とは違う・・・・・でも俺だってそんな姫君を守りたいんだ」
「・・・・ヒックッ・・・ま・・も・・る??」
「そうだよ・・可憐で繊細な姫君だから俺は守りたいんだ・・それにこれじゃぁ男失格だろ??」
「・・・だって・・私っ私っ」
「解ってる。俺はそう簡単には死なないから安心しなよ・・さっ涙を拭いてくれないかい??姫君の泣き顔もそそられるけど・・・・
――俺は笑った顔の方が好きだぜ??」
「あ・・りがと・・ぅ・・ヒノエくん」
「そうですよさんヒノエはちっとやそっとで死ぬタマじゃないですよ」
「・・あんた除き見とはいい度胸だな」
「失礼な入りますよと声はかけましたよ??耳・・悪くなってるんじゃないですか??すいませんが耳は僕の専門外です他をお願いしますね」
ニッコリ笑った弁慶さんが立っていた
着物の裾で目をゴシゴシ拭く・・薬とコップの乗ったお盆を私の前に出してくる
「傷を塞ぐ薬です・・体の調子はどうですか??」
「え・・あぁ・・えー・・・とだ・・大丈夫です」
「痛いんでしょう??貴方は嘘をつく時すぐ視線を外してしまいますから」
「うっ・・・はい体あちこち・・」
「ほらヒノエ診察の邪魔です濡れ布巾を冷やす水を汲んできてください」
「はぁ??」
「それぐらいにか役に立てないんですから・・はい桶です」
嫌そうな顔をしながら部屋から出て行くヒノエくん
ふぅとため息を吐いて私に笑顔を見せる弁慶さん
「・・あ・・あのっ弁慶さん・・・ありがとぅ御座います・・」
「いいえ貴方が生きてて本当に良かった血まみれで倒れている時は本当に焦りましたよ・・出血は酷いし僕とヒノエの血を補充したくらいですから」
「え?!・・そそそそ・・それはすいませんでした」
「・・・ふふふ・・顔真っ赤ですよ」
うぅと唸りながら顔を手で覆う
「でも本当に・・元気そうで良かったです」
「・・・・弁慶さん??」
「貴方の笑顔をもう二度と見れなくなってしまうかと思いましたから・・」
「・・・・・・・」
「僕もまだ人間らしい感情が残っていたんですね・・貴方に死んで欲しくないそう思って内心焦りまくりでしたから」
そう言って少し寂しそうに自分の手を見る弁慶さん
「この手で何人もの人手にかけておきながら・・・僕は本当に・・都合のいい人間です」
ふわっ
私は無意識にその手に自分の手を重ねる
驚いたように私を見る弁慶さん
「・・私にはよく解らないけれど・・これだけは言えます弁慶さんは・・人の命を救える人です」
「・・・さん??」
「あっその1コトで言ってしまうとなんか質が落ちるというかっっ・・えーと・・っ・・」
「君には本当に・・助けられてばかりですね」
その笑顔はさっきの寂しそうな辛そうな笑顔ではなくて
嬉しそうな彼の本当の笑顔だったように・・私には見えた
バシンッ
大きな音を立てて今にも泣きそうな顔の望美ちゃんとはぁはぁと息を吐いている九朗さんが居た
反射的に弁慶さんの手から自分の手を引っ込める
「!!!」
「望美・・おはようっ」
「おはようっじゃないよ!!もう目覚まさないかとおもったよぉ!!!」
ギュッ
今にも泣きそうな顔で抱きついてくる望美ちゃん
「ゴメンね・・ゴメン・・」
「誤ったって許さないんだからっ・・絶対絶対・・・今度は・・守ってみせるんだからっ」
「・・・・アリガトウ・・望美ちゃん」
ふぅと安心したような顔の九朗さん
弁慶さんもニコニコ笑っている
小さな黒ネコさんはいつまでもと泣き続けて・・いつのまにか大きな湖が出来ました
涙の湖にお月様が映っています・・・小さな黒ネコさんは泣くのをやめました
だって・・・お月様に会えたからです