強くなりたいと望んだ
強くなって守られる存在じゃなくなりたいと思った
だから私は刀を握ったんだ・・誰も傷ついて欲しくはないから
神様どうか私に力を下さい
たゆたゆ 赤い血と水が絡まってあの日のように舞い揺らぐ
「・・ふぅやっとココまで来れたねぇ・・あれ??は??」
「さんならまだ後ろのほうじゃないですか??」
譲の言葉に後ろの方を少し背伸びしてみる望美
ヒノエはふぅとため息を付き座っていた岩から腰を上げ来た道を
ポンポンと飛び越えて戻る
「(・・あの声は本当に・・それにあの着物についてた血本当は・・)」
「姫君」
『おっそーい!!!』
「うわっ!!!・・・・・・あっヒノエくんにモコナビックリしたぁ」
「どーしたんだい??上の空だったみたいだよ??」
クスクスと笑って私の前に立っているヒノエくんその肩にはモコナが乗っている
気がつくと前には望美ちゃんたちの姿はない
どうやら考え事をしていて行ってしまうのに気がつかなたっからしい
「ううん・・ちょっと考え事大丈夫大した事無いんだよ!!ほらっ明日の夕飯何にしようかぐらいの考えだからっ!!!!」
『モコナはイチゴのショートケーキがいいなぁvv』
「それは夕飯じゃないだろうが・・・・・・まぁ姫君がそう言うならなら俺はこれ以上は探索しないよ・・さっ行こうか姫君」
「・・あのヒノエくん??」
「何かな??」
「もしかして・・わ・・私のために・・・・・戻ってきてくれたのですか??」
「ぷっ・・何で敬語なのさ??」
「え・・あっいや・・うぅ・・」
『って緊張するとすーぐ敬語になるよねー??』
「はははは・・面白いね本当に・・そうだよ姫君の姿が見当たらなくてね心配して戻ってきたって訳さ迷惑だったかな??」
「ううん!!私ヒノエくんのそーいう人を大事にしようとするとこ好きだよ??」
目を見開く嬉しそうに笑う姫君の顔
には驚かされる事ばかりだな・・と呟いたが多分君には聞こえていないだろう
チリィン・・・
「・・・え??」
バッ・・後ろを振り向く
確かに聞こえた鈴の音
ポタッ・・・サァァァァ・・・
雨が降ってくる
「うわァ!!雨だ!!」
「何所かで雨宿りするしかあるまい」
「雨宿りって九朗さん!!どこでやるのよ!!」
「さっき御茶屋がありましたよ先輩」
「!?」
『!!何所いくの!?』
「ゴメンモコナ・・朔ちゃん・・私少し気になることがあるから・・先に行ってて」
朔ちゃんのとめる声を無視して声のする方へ走る
掠れていた声が段々とはっきりしてくる
雨がどんどん酷くなっていく
せっかく買ってもらった着物が台無しだ
そう思いながら辺りを見回す・・あの鈴の音・・何所かで聞いたことのある
「・・・・うっ・・・」
誰かのうめき声森の中
雨が降っているせいで地面はグジョグジョだ・・はぁはぁと荒い息を立てて倒れている人の姿
目を見開いた・・それは
『私は・・平敦盛だ』
そう敦盛さんだ・・急いで近寄り敦盛さんの冷たい体を起き上がらせる
ドロッ・・・
「え・・・・・っ!!!血っっ・・・」
手が赤く染まっていた
苦しそうに息をしている敦盛くん
私があげた鈴が光っている・・この鈴が私を呼んだらしい
「敦盛くん!!!敦盛くん!!!!聞こえる!!!!」
「・・・・うっ・・・・・ど・・の・・??」
「・・良かった・・まだ意識がある・・敦盛くん!!死んじゃ・・・・」
『・・さよなら・・母さん』
頭が・・痛む・・そうだっもう人の死に様はみたくない
あの日からさよならだけは・・絶対に言わないそう決めたのだから
『ならば・・お主に今一度力を与えよう』
「・・・・・力・・」
『だが・・忘れる出ないぞ運命の神子よ・・その力は己を蝕むのだからな』
「そしたら・・敦盛くんは助かるの??」
『反対にお主が死ぬかもしれんぞ??』
「死ぬなんて一度は投げ出した命だもん・・・誰かのためになれば・・それで」
『ならば願え我は――なり』
ふっ・・意識が無くなっていく
体中に痛みが走る・・このまま死ぬのかな??・・・
どうしてかなぁ・・・もう1度だけ・・あの人の笑顔を・・・見たいと・・
『・・っ!!!!!ヒノエヒノエ!!がが死んじゃう!!』
「は??お・・おいっ!!!」
『速く行かないと死んじゃうよ!!!ヤバイヤバイ急げヒノエ!!!』
モコナが珍しく焦って俺の着物の裾を引っ張る
考えてみればの姿が見えない・・
「どういう事ですかモコナ??」
『・・の命の音が聞こえなくなっちゃったの・・』
「・・場所は解りますか??」
『何とか・・こっち!!!』
「行きますよヒノエ」
大降りの中を走り出す
森の中を走りぬけ・・大きな木の下
俺のよく知った奴と・・が倒れていた
血の気が引くのが解る
「っ!!!」
「・・・微かに息はしていますね・・ヒノエ!!急ぎましょう!!速く皆のもとに戻りますよ」
『・・弁慶助かるよね??』
「解りません・・でも死なせはしませんよ」
弁慶はを抱え上げ
俺は隣に居た敦盛を担ぎ上げた
モコナは心配そうに見ている
『・・そんなまね死んでもしませんからご安心下さい・・捕まればそこで舌を噛み切り死ぬ覚悟です』
神子姫に聞いた言葉・・嫌な気持ちばかりが胸に宿る
俺はただもう1度の笑顔を見られることを望んだ
「頼むっ死ぬなっ」
雨はまだ降り止むことを知らないように降り注ぐ
まるで誰かの涙のように